クラウドサービスAWSの無料利用枠で、Linuxサーバを立ちあげて、pingを実行する

今回はEC2のお話です。基本中の基本ともいえる仮想サーバーを立ち上げる設定方法になります。
やることは、VPC作成とその中にEC2を作成し、「8.8.8.8」宛にpingを実施するまでです。

目次

  1. 全体の構成
  2. AWSアカウント取得
  3. VPCの作成
  4. EC2の作成
  5. まとめ

1.全体の構成

今回作成する構成は以下の通り。

AWS構成図
とってもシンプル構成!

2.AWSアカウント取得

AWSのアカウントを新規に取得・初期設定を実施します。以下のサイトを参照いただき設定までを実施してください。
(AWSのアカウントを既に持っている方はこちらの作業は飛ばしてください)

3.VPCの作成

まずはVPCを作成します。VPCとはプライベートなクラウド環境のことで、物理的に言うとデータセンターに自分のサーバーを設置して、自分でしか触ることができない環境をイメージしてください。

①VPC新規作成

本件ではウィザードを利用せず、通常作成します。メニュー「サービス」→「VPC」を選択します。

VPC選択画面

メニューから「VPC」を選択し、「VPCの作成」を選択します。

VPC作成画面

4項目を以下の通りに設定して「作成」を選択します。

   名前タグ:first-vpc  (VPCの名前)
   IPv4 CIDR ブロック:10.1.0.0/16  (VPC内で使うネットワークアドレス指定)
   IPv6 CIDR ブロック:IPv6 CIDR ブロックなし (IPv6を使うかどうか)
   テナンシー:デフォルト  (専用のサーバーにするか共用にするか)

VPC作成設定画面

②サブネット新規作成

メニューから「サブネット」を選択し、「サブネットの作成」から以下設定にて「作成」を選択します。

   名前タグ:first-subnet  (サブネットの名前)
   VPC:先程作成したVPCのID選択
   アベイラビリティゾーン:ap-northeast-1a  (仮想サーバーを起動する場所指定)
   IPv4 CIDR ブロック:10.1.1.0/24  (作成するサブネット範囲を指定)

サブネット作成画面

③インターネットゲートウェイ新規作成

メニューから「インターネットゲートウェイ」を選択し「インターネットゲートウェイの作成」を選択します。ここでは名前を付けるだけなので分かり易い名前を付けて作成を選択します。

インターネットゲートウェイ作成画面

ついでにインターネットゲートウェイをVPCへ関連付けておきます。これを設定することでVPC内のリソースはインターネットを通して送信・受信ができるようになります。作成したゲートウェイを選択し、アクションから「VPCにアタッチ」を選択します。

インターネットゲートウェイアタッチ画面

項番①で作成したVPCを選択して、アタッチを選択します。

VPCアタッチ画面

サブネットからインターネットへのルーティングを設定する必要があるので、「ルートテーブル」を設定します。メニュー「ルートテーブル」を選択すると、先程作成したVPCに紐づいたルートテーブルが存在します。(VPCIDより確認ができます)
「サブネットの関連付け」→「サブネットの関連付けの編集」を選択します。

ルーティング設定画面①

項番②で作成したサブネットにチェックを入れて、「保存」を選択します。

ルーティング設定画面②

あとはルーティングを設定してあげれば完成です。「ルート」→「ルートの編集」を選択します。

ルーティング設定画面③

「ルートの追加」を選択し、以下設定を記述したら「ルートの保存」を選択します。ここまで設定できればネットワーク回りは殆ど完成です。
  送信先:0.0.0.0/0
  ターゲット:igw-*******(項番③で作成したインターネットゲートウェイを選択する)

ルーティング設定画面④

4.EC2の作成

仮想サーバーを立ち上げましょう。その前に自分のグローバルIPアドレスを調べます。「CMAN」へ接続してアドレスを控えておきます。サービスから「EC2」を選択し、「インスタンス」を選択します。「インスタンスの作成を選択して仮想サーバーの設定を実行します。

インスタンス作成画面

まずはOSを決めます。今回はAmazon Linuxでサーバーを起動させるので、「Amazon Linux2….」の「選択」を選択します。この時に「無料利用枠の対象」であることを確認しましょう。

OS選択画面

「タイプ」は「t2.micro(無料利用枠の対象)」を選択し、「次のステップ:インスタンスの詳細の設定」を選択します。

インスタンスタイプ選択画面

以下項目を設定し、「次のステップ:ストレージの追加」を選択します。
  ネットワーク:項番①で作成したVPCを選択
  サブネット:項番②で作成したサブネットを選択
  自動割り当てパブリックIP:有効

インスタンス詳細設定画面

特に変更はせず、「次のステップ:タグの追加」を選択します。

インスタンス設定画面①

タグ設定は起動するサーバーに分かり易い名前を付けて「次のステップ:セキュリティーグループの設定」を選択します。

インスタンス設定画面②

「新しいセキュリティグループを作成する」にチェックをいれて、以下を設定して「確認と作成」を選択します。最後に「起動」を選択します。
  セキュリティグループ名:first-security-group
  説明:only my ssh
  タイプ:SSH
  プロトコル:TCP
  ポート範囲:22
  ソース:カスタム ***.***.***.***/32 (最初に調べたグローバルIPアドレスを指定)

インスタンス設定画面③

「起動」を選択するとSSH接続に使用するカギをダウンロードすることになります。これはとても重要な設定で、このキーファイルがないと起動させる仮想サーバーへの接続手段がなくなってしまいます。
以下画面では新しいキーペアの作成を選択し、キーペア名を付けて「キーペアのダウンロード」を実行、ファイルを保存します。「インスタンスの作成」を選択後5分程度で接続可能なサーバーが起動します。

インスタンス設定画面④

目的を達成するために、サーバーへSSHを使ってログイン!
今回はTareTermを使って接続を実施します。まずサービスからEC2を選択し、「実行中のインスタンス」を選択します。起動した仮想サーバーを確認します。「パブリックIP:***.***.***.***」の表示があるので、このIPアドレス宛にSSH接続を実施します。

インスタンス設定画面⑤

接続において、ユーザー名は「ec2-user」、パスフレーズは使用せず先程ダウンロードしたキーを使います。それでは早速目的であるpingを実行!
(この時点で接続できない場合、セキュリティグループの設定を見直してください)

SSH接続画面
PING画面
感激!

5.まとめ

いかがだったでしょうか。今回設定した内容は全て無料利用枠に収まるものです。EC2インスタンスを立ち上げっぱなしにしないよう、最後に停止(シャットダウン)もしくはサーバーを停止(削除)してから終わりとしてください。
(無料利用枠とはいえ、1か月750時間以上起動し続けると課金されるので)

削除画面
「停止」もしくは「終了」を!



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