今回はAWSのリザーブドインスタンスについて解説をします。リザーブドインスタンスを使うことでサーバの運用費用を大幅に減らすことができる可能性があります。
目次
1. リザーブドインスタンスとは?
まず初めにリザーブドインスタンスとは何かを説明します。
リザーブドインスタンスとはあらかじめインスタンスの種類を指定して1年間、もしくは3年間使い続けることを約束することで割引を受けられるサービスになります。
新聞に例えると「12か月契約してくれたらお米と洗剤12つ上げます」に似ています。(?)
また、支払い方法は3種類存在しており
・全額前払い(一番割引率が高い) ※現金一括!
・一部前払いと月々の支払い(月々の支払いが発生するが安い) ※頭金を払って残金はローン!
・月々の支払いのみ(月々の支払いのみ) ※全額ローン!
に分けられます。
2. メリット・デメリット
メリット
・インスタンス利用料金を下げることができる
・キャパシティー予約をすればAWS側に障害が発生しても優先的にインスタンスを利用できる
デメリット
・1年、もしくは3年間使い続けなければいけない
(売却も可能だがアメリカに銀行口座を持つ必要があるので敷居が高い)
・購入するタイプによってはインスタンスのAZやタイプが変更できない
(スタンダードRIはできないが、コンバーティブルRIは変更できるが割引率が低くなる)
3. 購入方法
実際に購入するのは簡単で、「サービス」→「EC2」→「リザーブドインスタンス」を選択し、「リザーブドインスタンスの購入」を押下します。

以下項目を選んで「検索」を実行することで、条件に合った選択肢が出てきます。
・プラットフォーム:OSの種類
・テナンシー:占有か共有か
・提供クラス:スタンダードRIかコンバーティブルRIか
・インスタンスタイプ:現在の環境に合わせて選択
・期間:1年間か3年間か
・お支払方法:全額前払い、一部前払い、月々の支払いのみか

上記の場合、OSの種類はwindowsで、共有インスタンス、提供クラスはスタンダードRIでインスタンスタイプがt2.large、期間は1年で月払いのみとしています。
あとは「カートに入れる」を押下、「カートを見る」を押下、注文で完了です。
購入自体はとても簡単であるがゆえに、しっかりと計画的に購入する必要があります。また、購入したものはインスタンスではなく割引を受ける「権利」なのでインスタンスに適用などする必要はなく条件に合ったインスタンスが起動していれば自動で割引が適用されます。
4. 注意点
リザーブドインスタンスを購入するにあたって以下について注意する必要があります。
・1年、もしくは3年間のインスタンス利用用途、耐障害性の担保どの運用が決まっているか
これらが計画されていないと、途中でリザーブドインスタンスの適用ができなくなる場合があります。
必ず長いスパンでの運用と照らし合わせて計画しましょう。
・一度購入したらキャンセルできない
・インスタンス、OSが変わったら適用されなくなる
・一部前払い、月払いはサーバが止まっていても支払いが発生する
・気軽にスケールアップ、スケールダウンを実行できない
・リザーブドインスタンスは転売できるがアメリカの銀行口座が必要になる
など
24時間365日運用するようなインスタンスであれば恩恵を十分に受けますし、バッチ処理のような一時的に起動するだけのものであれば無駄になるので注意が必要です。
5. まとめ
いかがだったでしょうか。運用している環境によっては運用コストを大幅にダウンさせることが可能であると理解いただけたと思います。
かといって何でもかんでもリザーブドインスタンスにすることも危険ですね。まずは現在の運用環境と将来の拡張性などを鑑みて検討することが肝要と思います。
注意点ですが、リザーブドインスタンスを購入する場合デフォルトで購入することができない制限が設定されているので解除してから購入しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。